パチンコって海外にもあるの? 日本以外のパチンコ事情を調査しました

日本以外のパチンコ事情

日本では2020年の時点でパチンコ店の店舗が約8700店舗、パチンコユーザーは約900万人と言われており、市場規模は約19兆円と一時期よりもだいぶ落ち込んでいるとは言え、まだまだパチンコの市場規模はとても大きいです。そんなパチンコですが、日本以外で流行っているという話はあんまり聞きませんよね? 海外のパチンコ事情ってどうなっているのでしょうか? 今回は日本以外のパチンコ事情を調べてみました。

海外の人は日本に来たらパチンコを打ちたいと思っている

日本に来たらパチンコを打ちたい

アメリカのロサンゼルスでアニメエキスポが行われた際、海外の方にパチンコを知っているか? とアンケートを取ったときには約50%の人がパチンコを知っていると答え、そのほとんどの人が日本に来たら、パチンコを打ってみたいと答えたそうです。

パチンコはアニメを題材にしている作品が多いので、アニメエキスポに来るような人は、他の人よりもパチンコに興味があるでしょうが、それにしてもほとんどの人がパチンコを打ってみたいと答えているので、日本の人以外にもパチンコが受けそうな感じはありますよね。

アニメエキスポでパチンコを試打した人は、アメリカのスロットよりも面白いと感じる人も多かったそうです。やはり、アメリカのスロットに比べて、日本のパチンコは液晶の演出が凄く派手で、アニメが好きな人からするととても楽しいみたいですね。

海外にもパチンコ業界は進出している

パチンコ業界の海外進出

それでは、パチンコ業界は海外には進出していないのでしょうか? 実は皆様が知らないだけで、海外にパチンコ業界は進出しています。進出している国は、韓国、台湾、グアムなど。それではそれぞれの国のパチンコ事情を詳しく紹介していきたいと思います。

韓国

韓国にパチンコが進出したのは2000年で、パチンコではなく「メダルチギ」と呼ばれていました。韓国のパチンコは、元々は日本から輸入したパチンコ機を改造して使用していたと言われていましたが、近年はどちらかというとパチスロに近い感じで、日本のパチンコように玉を打ってプレイするスタイルではなく、メダルを入れると抽選されて、当たりなのかハズレなのかが決まるようなオリジナルに開発した機種が多かったようです。技術介入要素が無いので、遊技ではなくギャンブルとなりますね。

ダブルアップなども存在するため、カジノのスロットマシーンのようなシステムと考えた方がわかりやすいかもしれません。このダブルアップは最大で2万5000倍もの払い出しを行うような機種もあったようで、とてもギャンブル性が高いですね。そして、当たると商品券等が出てくるので、その商品券を換金したり、商品と交換できるシステムとなっています。

ちなみに韓国のパチンコ店には、ホールの外壁に海物語のマリンちゃんが無承諾で使用された店が存在していたそうですよ。

韓国のパチンコは人気があり、一番流行っていた頃には約1万5千店の店舗と、売上が日本円で3兆円もありましたが、人気がありすぎたせいで射幸心の煽りなどのギャンブル性の問題が噴出し、当時の政治家のスキャンダルが発端となって2005年に非合法化されました。

しかし、現在でも韓国では看板を変えて営業しているとされています。日本でもレートが20円よりも高かったり、今でも4号機が打てたりする裏スロット、のような感じで営業されているのですかね。

台湾

台湾では「遊藝場」「娯楽場」「SLOT」「CASINO」など、いろいろな呼び名でパチンコ店が存在しています。台北ではパチンコは禁止されているのですが、その他の主要都市「新竹」「台中」「台南」「高雄」エリアには結構な数のパチンコ店があります。

台湾のパチンコは日本のパチンコとは異なり、当たった数字や再抽選後に出た数字によって連チャン数が決定します。また、ハンドルは固定していても大丈夫で、手を離して遊技していても良いので、目が届く範囲内での掛け持ち遊技も容認されています。基本的には台湾のパチンコ店は換金が禁止されているのですが、実際は換金が出来るホールも多いようですね。

また、日本で検定が切れた機械が打てるホールもあるみたいなので、昔の台が打ちたいという方は、台湾に行ったときに探してみると打てるかもしれません。ただ、昔の台を打って当たったとしても換金はしてはダメですよ。

グアム

グアムのパチンコは「政府に公認されているギャンブル施設」という位置付けです。カウンターで玉を買う・手を離してのハンドル固定可能・2台までなら掛け持ち遊技をしても良い・全店禁煙・リザーブシステムがあるので好きな台を前もって抑えておおける・フリードリンク、フリーカップ麺のシステムがある・ボリュームは最小に固定しなければいけない・出玉の共有は不可・ホールの中にパチンコ以外にゲームなども置いてあるがスロットはない、などの日本との違いが結構あります。日本でも最近は禁煙となったので、少し近くなりましたね。

見た目は、パチンコ店というよりはカジノというような雰囲気で、椅子が固定されていないので、打ちながら動けるそうです。また、大当りの早駆けをして勝つと賞金が貰えるイベントなんかが行われているホールもあるそうですよ。

グアムのパチンコに来ている人は、実は日本人観光客の人が多く、現地の人は結構少なめだそうです。店員さんも日本人の方がいるらしく、わからないことがあった時は聞けば、大概のことは教えてもらえるので日本人でも気軽に打てるそうですよ。

アメリカ

アメリカ本土で唯一のパチンコ店として一部の人からは有名なのが「Pachinko World」というホールです。このPachinko Worldはノースカロライナ州にあるそうです。現在では日本では打つことができない「スターウォーズ」などのアメリカでも人気の題材のパチンコが人気だそうで、イベントも開催されているようです。

過去にはアメリカ在住の日本人がアメリカでパチンコ店を開店したものの、1ヶ月ほどで閉店してしまったということがありました。

閉店してしまった大きな理由は「4円で借りた玉を換金するときに3円になるなんて勝てるわけないじゃないか!」ということらしいです。等価交換なら、もう少し流行ったんでしょうかね?

日本と海外ではユーザーの考え方が違う

日本と海外の違い

日本人が当たり前と思っていることが、海外の人からするとおかしいと感じられたりします。これはパチンコに限ったことではないのですが、日本で流行ったからといって、海外でも流行るというわけではないということですね。

製造メーカーは海外に進出している

パチンコ製造メーカーの海外進出

パチンコホールはなかなか海外で利益を上げるのが難しいことがわかってきたかと思うのですが、パチンコやスロットの製造メーカーは、海外に機械を輸出して利益を上げていたりします。

スロット機器は海外のカジノに輸出して利益を出していますし、日本では法の規制などでホールに置くことができなくなったパチンコ機器や、スロット機器を海外に輸出している業者もあるそうです。

パチンコ運営のノウハウを使ってカジノを運営している事業者も

カジノ経営

5号機時代にはミリオンゴッドシリーズ、バジリスクシリーズ、魔法少女まどか☆マギカシリーズなどを発売し、次々とヒットを連発させたことで知られているユニバーサルエンターテインメントのことは、パチンコやスロットが好きな人ならほとんどが知っていることでしょう。

このユニバーサルエンターテインメントの創業者で元代表取締役社長である岡田和生さんは2012年にウィン・リゾーツのSteve Wynnと協業したラスベガスとマカオのカジノホテル経営を経て、2016年12月に世界で初めて日本人が単独オーナーとなって経営するカジノホテルを建設しました。2017年3月にグランドオープンしたこのカジノホテルは岡田和生さんの名前を取って「オカダマニラ」という名前で営業しており、日本人の名前がつく唯一のカジノホテルでもあります。

また、セガサミーは2012年に韓国パラダイスグループとの合弁会社「パラダイスセガサミー」を設立し、仁川国際空港傍に韓国初の統合型リゾート「パラダイスシティー」を2017年4月に開業しました。これは日本のカジノ解禁を見据えた動きとも言われていますね。

アメリカで大ヒットした「Pachinko(パチンコ)」という小説がある

小説「Pachinko」

韓国のソウルで生まれ、幼いころに家族でアメリカに移住した Min Jin Lee(イ・ミンジン)さんが執筆したこの「Pachinko(パチンコ)」という小説は、日本ではそれほど知っている人が多くはないものの、アメリカでは百万部を超すベストセラーとなっており、アメリカで最も権威のある文学賞のひとつ、「全米図書賞」にノミネートされました。

パチンコを軸に置いて描く在日コリアン四世代の大河小説となっているので、気になった方は是非読んでみてはいかがでしょうか?

海外ではそれほど流行らないパチンコが日本で廃れないのはなぜ?

衰えないパチンコ人気

パチンコ業界はあまり世間からのイメージが良くないのですが、それでも廃れないのはなぜなのでしょうか?

パチンコはホールだけでも日本全国で約23万人が働いており、ホール以外にも遊技機メーカーや周辺設備機器メーカー、販売業者、景品卸、ライターなども考えれば携わっている人が凄い人数となります。そんなパチンコがなくなってしまって一気に失業者が増えてしてしまったら日本は大変なことになるでしょう。

また、一時よりも少なくなったとはいえ、パチンコは現在でも市場規模が年間19兆円と言われています。この市場規模はコンビニエンスストアの2倍ほどとも言われているので、これだけの市場規模の産業がなくなってしまうと日本は大不況に陥ってしまうかもしれません。

このような事情があるため、パチンコが徐々に衰退して行くことはあっても、いきなり無くなってしまうということは考えにくいでしょうね。

まとめ

日本ではとても大きなパチンコ産業ですが、海外では現在ではそれほど流行っていないことがわかりました。韓国のように流行りすぎたことでパチンコが禁止となった国もあるため、パチンコが流行るような国も日本以外にあるかもしれません。今後のパチンコ海外事情にも目を光らせておくと面白いかもしれませんね。